普通の人々 (JO)

最終回 ふつうの人

私ごとながら、この2月まででブックス・ルーエをおいとまする事となりました。このおよそ5年半の間、ルーエの仲間達には本当にお世話になりました。

地下フロアでは、担当の棚をたくさん持たせていただき、自分の思う様に、自由にやらせていただきました。時には店長とバラエティ番組の話で盛り上がり、時にはAさんとまったりしたりする日もありました。そして私の師匠であるY君(ドン・ウー君です)。10才も年上の私に根気良く仕事を教えてくれました。私がある程度仕事になれて来てからは、二人で協力して思考錯誤しながら地下早番を回して来た相棒となりました(ドラマにはまり中)。くしくも時を同じくして、それぞれ決めた道を進む事になりましたが、もう友達だと思っているのでこれからもヨロシクって感じです。

他のフロアのみんなとは、編集長のお宅へ夜な夜な集合し、四季折々のイベントやら合同誕生会などのステキな集まりにたびたび呼んでいただき、楽しく遊んだりしました。ありがとう!

そしてルエ伝をご愛読して下さる皆様、ありがとうございました。私のしょーもない人間ウォッチング、いかがだったでしょうか。書いてた本人が一番ふつうだった様な。どうか皆様、これからもブックスルーエ&ルエ伝をごひいきに。

30号 ラインナップ

ある朝の出勤電車の光景。3人掛けの座席のはじに立っていた私。私の前の座席には、スーツを着た黒人の若い男性が座っていました。この方、本を読んでいたので何げなく見ると、ジャンプコミックスの「NARUTO」でした。その隣には、上を向いて爆睡中の小学3〜4年生くらいの女の子が。私立の小学校らしい。そしてその隣には、ごくごく普通のスーツのサラリーマン(こちらも爆睡中)が。 ・・・・なんだろうか、この組合せ。

そういえばこのあいだ、片方は3才くらいの超カワイイ(私の主観です)男の子と、その子供と手をつないで仲良く歩く、モヒカン頭にロックスタイルなお父さんらしい二人連れを見かけました。 どちらの場合も、私が子供の頃にはまずありえないラインナップだと思われます。なんか、色々混ざっている感じが。

世の中、本当変わりました。そしてこれからさらに変わってゆくのでしょう。この先どんなありえないラインナップを目にする事になるのか。そんな事を考えてちょっぴり楽しい気分になったある日の朝でした。

NARUTO 巻ノ49 (ジャンプコミックス)
岸本 斉史
集英社 (2010-01-04)

29号 ラーメン男子

電車でラーメンを食べている人、見たことありますか?

ある仕事帰りの電車の中、私は出入り口のドアの脇に立っていました。ある駅でこちら側のドアが開いたのですが、そこには男子高校生5〜6の集団が。全員がでかいバックを持っていて、おそらく部活帰りでしょう。ふとみるとその中の1人がカップラーメンを食べていました。まさか乗って来ないよな。と思っていましたが彼らは普通に乗車。走り出した電車の中で、ビッグサイズのカップラーメンを、ワイワイ言いながら回し食いなんかしていました。その集団の一番近くにいた私は、電車が揺れた弾みでラーメンの汁でもこぼれたりするんじゃないかとヒヤヒヤしていました。しかも時間は午後の6時半すぎ。スキッ腹で家路を急ぐ身としては、車内に充満したラーメン臭が胃にこたえる・・・。

それにしても、帰宅時間でそこそこ混み合っている電車の中でラーメン(汁物)とは、常識知らずもいいとこですが、ある意味度胸があると言えなくもないのか?彼らは将来どんな大人になるのか?少なくとも『電車でラーメンは、周り的にキツイ』と言う事に気付ける大人になってほしい。と、ラーメン臭に反応してグーグー鳴るおなかを抱えて切に願うばかりだったのです。

27号「盛る」女

最近若い女の子の間で髪を「盛る」のが流行っていますよね。それこそ中学生くらいの子でも見かける様になりました。かなり一般化模様です。

ところで最近、ある意味「盛っている」おばちゃんを見かけました。帰りの電車、おばちゃんはシートに座り、私はそのななめ前に立っていたのですが、すぐにその存在感に気付きました。まず、おばちゃん、顔がでかかった。おそらく昭和初期生まれであろう、典型的日本人と言う感じ。しかしこのおばちゃんの存在感をより大きくしていたのは、その頭部にあったのです。

明らかに地毛と全く馴染んでいない、もじゃもじゃのウィッグ、いやヅラか?が頭に乗っかっていたのです。女性も年を取ると髪がやせたり薄くなったりします。テレビなどで見るイ○ファインなどの女性向けのウィッグ(かつら)なども多くなりました。しかし今回の場合、自然な感じに髪に馴染ませる的な配慮は一切見受けられず、頭の上に何かが「乗っかっている」状態。そして顔の大きさ+頭の大きさにさらに乗っているブツが加わって莫大な大きさの頭部=存在感となっていたのでした。

その様子をおばちゃんのななめ上部から観察していた私は気付いたのです。 「はっ、これもある意味(髪を)盛っているのか・・・」 少々違う気もしますが、幅広い年齢層に浸透したのでちょっと強引にオチをつけた私なのです。

26号 騙しの血統

一番下のイトコ、愛ちゃん。私とは一回り以上年が離れているのですが、彼女がまだ小学1〜2年生ぐらいだった頃の事。鏡の前でコンタクトを入れようとゴソゴソやっている私の所へやって来た愛ちゃん。「めぐちゃん(私です)何やってるの?」「ん?目ん玉入れるんだよー」「ほ、本当?」と言って私の顔を凝視する愛ちゃん。コンタクトを人差し指の上にのせ、眼球に装着する様子を見て、目をまん丸にして驚愕。「本当だ!すごいよ!!」

もちろん当時の彼女はコンタクトの存在を知らず、指にのせたレンズを眼球にくっつける様子が、眼球を押し込んでいる様に見えたのでしょう。あまりにも信じるもんで、おもしろいからそのまま訂正しないでおきました。愛ちゃん、まだ覚えているでしょうか?

そういえば私も子供の頃、2つ年上の兄に騙された事がありました。「ほらめぐ、テレビ見ろ!お父さんが映ってるぞ!」その時テレビにはマラソンの瀬古選手が。「本当だ、お父さんだ、すごい!」兄、腹をかかえて大爆笑。父は瀬古選手や笑点の楽太郎さんに似ているのです。

それにしても騙す方も騙される方も、まごうことなき血のつながり感じずにはおれません。案外子供の頃騙された事って、忘れていないものでした。

ごめんよ、愛ちゃん。今度会った時にあやまりたいと思います。

25号 老人力

先日、久しぶりに杉さんと出かけました。(たびたび登場する私の友人です)杉さんに「行きたいところある?」と聞くと、まだ初詣に行っていないとの事なので、高幡不動へ行く事にしました。私達の想像では、もう一月の末だし、閑散としてほとんど誰もいない中の初詣になると思っていましたが、いざ高幡不動駅へ到着してみると、じいちゃんばあちゃん達で大賑い。どうやらちょうどその日からダルマ市が始まった様です。参道の両側には出店が並び、干桜えびなどの試食に群がる老人達。いざお参りをしようと並んでいると、ガンガン横入りされ、お守りを買おうと選んでいる横で、厄除けのうちわやらミニ熊手やらを豪快に買い込み、名物の高幡不動まんじゅう(1箱1000円)を5箱とか平気で購入していく老人達。ちょうど昼時だったので、ごはんを食べようかと思えば、周辺の店は外まで並ぶ老人達でどこもいっぱい。しかたなく私達は立川に移動してからの食事となりました。疲れた・・・。

それにしても老人達のパワーに圧倒されっぱなし。たとえ動きが多少スローモーだとしても、じいちゃんばあちゃん達の元気な事。高齢化社会が問題になっていますが、やる気のない若者よりも、よっぽどパワーがあると思います。もっと色々な事を頑張りたいと思っているじいちゃんばあちゃんは案外多いんじゃないでしょうか。その老人力をうまく引き出して生かす社会。だれか作ってくれないかな。最終的には他力本願なダメな若者(?)な私の考え。

24号 新年

現在1月。毎年年賀状が届きます。この時期になると思い出す事。

私はタバコを吸った事がありません。口にくわえた事すらありません。でもまわりの友人・知人にはタバコを吸う人は山ほどいます。自分でもよく吸わずにここまで来たなと思いますが、なぜか? まず「タバコ」が私にとって興味の対象外であった事。全く食指動かず。それから幼少期、喫煙者であった父が「子供のために」タバコをやめた。という事実。ちなみに私の兄は現在喫煙者ですが。そしてやっぱり大きかったのは、私の友人達の中に「私にタバコをすすめる人」が誰一人としていなかった事だと思われます。

男子・女子共に、私のまわりには高校生のころから(時効ということで)喫煙者がいつもいましたが、たとえ冗談でも「吸ってみる?」などとすすめる友人は皆無でした。

タバコを吸う事が良いか悪いかはともかく、吸わない友人にすすめる事が「かっこ悪い」と言う事を、ガキながら皆分かっていたのかなと今になって思います。そんな友人達からは、今年も年賀状が届き「そういえば・・・」と思い出す訳です。

今回つまり何が言いたかったのかと言うと、要するに「いい友人ばかりだったよ」と言う友達自慢ですね。新年一発目はこんな感じで。 今年もよろしくお願いします。

23号 ちょっとも待てない男

先日行った近所の郵便局で見た人。振り込みなのか、窓口にお金を預けているじいさん。職員の方に「では、出来ましたらお呼びしますので座ってお待ち下さい」と言われて「わかった」と返事をしてベンチに座ったじいさん。しかし座っていたのはものの2秒ほど。すぐさま立ち上がって窓口へ。「まだなのかよ?」

職員の方も困惑気味でしたが「順番に処理いたしておりますので、もう少々お待ち下さい」と案内すると「まったくどれだけかかるんだよ」などとブツブツ言いながらベンチへ。そしてまた2秒ほど座ってまた窓口へ向かい「まだなのかよ?」「いつまで待たすんだよ」など暴言はきまくり。そのたびに職員の作業・手が中断し「申し訳ありません、先にお待ちの方がいらっしゃいますので、順番に処理いたしております」の繰り返し。するとじいさん「なにが順番だよ!」いよいよこの言葉に切れた人が。じいさんより前から待っていた男の人が怒ります。 「おいじじい、さっきからウルセエんだよ!あんたのせいでますます時間がかかるだろうが!こっちは仕事の合間に来て、あんたより前から待ってんだよ!!」さすがにひるんだじいさんは「よそへ行くからもういい」と預けていたお金を職員の方から奪いかえし、なおもブツブツ言いながら去っていきました。

この時は子供がいなかったのが幸いでした。ちょっとも待つ事が出来ず、順番なんて関係ないなどとのたまう大人の姿など見せられません。人のふり見て我がふり直せ。あんな年の取り方は絶対しないと心に誓う休日になりました。

22号 上司

以前勤めていた会社での事。当時営業と売店の支配人をしていた小幡さんと言うおじさんがいました。ある日の事、外線が鳴ったので私が出るとこんな電話でした。

「いつもお世話になっております。となりのみよちゃんですが、小幡支配人はいらっしゃいますか?」 「となりのみよちゃん」と言うのは、駄菓子を扱っている業者さんの名前で、もちろん私も知っていましたが、この時点ですでにちょっとおもしろくなっちゃいまして。そこで、私の席からちょうど対角線上の先にいた小幡さんへ。「小幡さん、となりのみよちゃんから(外線)3番でーす」と声をかけました。(大きめで) 「となりのみよちゃん」が業者名だと言う事は、まわりにいた事務所の皆も知っていますが、それでもふきだすのをこらえるのに必死。その時の小幡さんの何とも言えない表情がたまりませんでした。

また別のある日。PC室にいた小幡さんにお茶を持って行くと、眠たそうに目をこすっていたので「小幡さん寝不足ですか?」と聞くと「いやー昨日息子に借りたマンガを読み始めたら止まんなくなっちゃってさ、ほらあの、ふんふんふんふん言うやつ」「・・・もしかしてスラムダンクですかね?」「そうそうそれそれ」徹夜で読破したらしい。

こんなおちゃめな上司小幡さんですが、仕事面では特に数字に強く、予算や売上予想などをピタリと当てたりしていました。セクハラやパワハラなども一切無く、私のくだらないおしゃべりなんかにも付き合ってくれるステキなおじさんでした。今はどこの事業所にいるのか。お元気であれ。

21号 趣味

人の趣味や好みはそれぞれです。人知れずこっそり楽しむ趣味も多いでしょうが、“服装”に関しては、自分の意志に関係無く人目に触れてしまうモノの一つでしょう。

ちなみに私は特別服装についてこだわりなどもなく、その分他人の服装なども、通常気にしたりしません。しかし、先日すごい人を見かけました。

朝、出勤の為に駅に向かって歩いていた時、この階段を上がり切るとすぐ改札口という所で、少し前方を登っている女性に気付きました。年のころは60代〜70代くらいの初老の女性。その人の何がすごいかって、着ている洋服です。その方はどうやらこれからおでかけの様子で、上下揃いの服を着ていました。その服の柄が。 アフリカなどの原住民や部族の人達がお祭りなどの時に使う『お面』。おみやげなどで売っているアレ。色々な種類のお面が、黒地の生地一面にプリントされていたのです。それの上下です。なぜその柄なのか?なぜその服を購入したのか?私の頭の中は疑問符でいっぱいです。メイクもショートの髪もキチンとセットしているのに、服のチョイスはこれなのか・・・。

普段他人の服装が気にならない私にすら感付かれてしまうそのセンス。自分の母がそんな事にならない様に目を光らせねばなりますまい。

20号 いとこの子供達、再び

私のいとこの子供達、「ユカリ」と「セイナ」。以前登場した事のある二人ですが、も小学3年生と1年生になりました。育っています。

ところで、今激アツなアニメ映画「崖の上のポニョ」。老若男女を問わず、気づけばその歌を口ずさんでしまう話題の映画ですが、これに登場する「ポニョ」について、最近ユカリとセイナは大喧嘩したそうです。なんでも、「ポニョ」は『妖精』なのか?『魚の子』なのか?でもめているらしく、「めぐみちゃん(私の事です)はどっちだと思う?」と二人に聞かれて困りました。たしかにあの歌では、“ポーニョポーニョポニョ『魚の子』”と言っているし。でもポニョの両親(お父さんはもと人間の魔法使い・お母さんは海の神様的な存在)の事を考えると妖精に近いような・・・。悩みましたが結局「両者ドロー」と言う事で治めました。

しかしあいかわらず子供の発想のおもしろいこと。「え、そこ?そこでモメるの?」とは大人達の共通の意見。でも子供にとっては「そこ」が重要なんですね。

毎度チビ達にド肝をぬかれている私です。

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19号 おばちゃんズ2

昨年まで某公園内にある某レストランに、日曜日のみバイトに行っていました。そこには気のいいパートのおばちゃん2人組がおり、その内のもう一人、川村さんのお話。

男ばっかり3人の息子がいる、つまみ食い大好きな陽気なおばちゃん川村さん。母の日や誕生日に息子達からもらったピンクのバッグなどをうれしそうに使っています。

ある日の事、私が厨房の奥の冷蔵庫のあたりで探し物をしていると、厨房の方から「ゴーン」という鈍い音が。びっくりして駆けつけると、そこにはおでこを押さえてうずくまる川村さんが。どうやら、プラスチックのゴミ箱がいっぱいになったので、足で踏んづけて圧縮していた所、勢いあまって目の前にあった棚におでこを強打した様「いたいよー」と涙目の川村さんのおでこを見てみると、そこには目の覚める様なみごとなタンコブが。

こんな完璧なタンコブはひさしぶりに見ました。川村さん本人も、自分のドジっぷりにもう笑っちゃってました。そんなドジっ子な川村さんと前号登場のしっかり者の佐藤さんは、ボケとツッコミの様なみごとなコンビネーションで私達をいつも楽しませてくれました。とってもお世話になった2人に感謝です。

おまけ ある日の2人の痛快な会話〜仕事終わり、着替え中の更衣室にて〜

川「あれ?このTシャツ、朝着て来た時よりキツくなってる」
佐「今日1日の間で太ったんじゃないの?」 更衣室大爆笑なり。

18号 おばちゃんズ

昨年まで某公園内にある某レストランに、日曜日のみバイトに行っていました。そこには気のいいパートのおばちゃん2人組がおり、その内の一人、佐藤さんのお話。 テキパキ仕事をこなすクールで、でもやさしい佐藤さん。いまだに息子の「前の彼女」が家に遊びに来ていっしょにお茶なんかするらしい。

ある年のゴールデンウィークのめちゃくちゃ忙しい日の事。私と佐藤さんは遅い昼食と休憩を取っていました。するといつもクールな佐藤さんがご立腹な様子で話してくれました。 その日佐藤さんはテイクアウトのカウンターに入っていましたが、そこも今日は大行列。必死に客をさばいていたそうなんですが、そんな中自分の順番がまわって来たある母娘。「○○円になります」と言う佐藤さんに娘(推定3才くらい)にお金を持たせて抱き上げて「はい、おばちゃんに渡して〜」なんてやりはじめたらしいのです。佐藤さんいわく。「すいてる日だったら分かるよ。でもこんなに混んでる日に、自分だってさんざん待って自分の後ろにもまだまだ並んでいるのに子供にやらすなよ(怒)」まさに空気読めよと。笑顔も引きつるし、並んでる他の人達の視線もトゲトゲしいしで「本当イラッとしたわぁ」ただでさえ大忙しで大変だったのに、肉体的にも精神的にもどっと疲れた日になってしまった佐藤さんの1日でした。

それにしてもおそるべしK・Y、、、。私だったらプチ切れしてたかもです。

17号 後輩

以前勤めていた会社での事。私の仕事は営業事務だったので、通常事務所に詰めており、外線なども取ったりします。同じく営業事務だった後輩の女の子、中村さん。美人で性格も素直な彼女ですが、いかんせん大変な天然ちゃんでございました。

ある日、外線を取って対応していた中村さん。相手様の名前、だれ宛てかを聞いて保留にし、彼女は呼びました。

「笠原さーん。外線一番に、カツ丼屋の坂田様からお電話ですー」
「?」 「?」 「?」 笠原さんというのは、当時売店を担当していた男性社員なんですが、その本人も周りにいた私達も何のこっちゃ意味不明。出前を取ったのではと思われがちですが昼時でもなく、そもそも勤務中に会社に出前を頼む習慣そのものが無かったので、まさに「?」状態。首をかしげつつも電話を変わった笠原さんは用件を聞いた後叫びました。

「ばかやろー、カツ丼屋の坂田じゃなくて、菓子問屋のサカノ(会社名)じゃねーか!」 そりゃもう大爆笑ですよ、事務中。売店関係の業者さんで、電話もよく来るし、伝票も上がってくるのでピンときても良さそうなものですが、なにしろ中村さんですから。 そんな彼女も今は結婚し、一児の母。ここ数年会っていませんが、間違いなく今も天然でしょう。なにしろ中村さんですから。

16号 神主

先日、地元の神社に30代2回目の厄祓いに行って来ました。前回の時と同じ神社に行ったのでお祓いしてくれる神主さんも同じ人です。おじいちゃん神主なんですが、この神主さん前回の厄祓いの時、最後まで私の名前(名)を読み違えていました。お祓いの祝詞を上げている間にたびたび私の名前が出て来るのですが、もれなく名前の読み方を間違えていたのです。そのたびに、「あのエミではなく、メグミです」と声をかけようとは思うものの出来ず、結局最後まで名前は訂正される事無くお祓い終了。ちなみにこの年は、長年勤めた会社を不本意な理由で退社すると言う大事件がおこったのですが、見方を変えれば「苦しい状態から脱出できた」とか「人生の転機が訪れた」とも考えられる訳で、名前は間違えられたけど、じっちゃん神主の信心(?)により、神様はちゃんと分かって下さっていたのだ。とポジティブに考える事にしています。

そんなこんなで向かえた今回の厄祓いは、名前を間違えられる事もなく無事終了。(名字と名前の間に3秒ほど間がありましたが)今回もきっとご利益があるはず。おじいちゃん神主も元気でした。そうそう会うこともないでしょうが、元気で長生きしてほしいものです。

15号 眠るおとうさん

朝乗る電車はたいてい同じ時間の同じ場所。私が乗る時にはいつも定位置に座って眠っているおとうさんがいます。背広を着て、髪は七三、顔にはメガネ(ズレ気味)の典型的なサラリーマンです。このおとうさん、いつも熟睡しているのですが、その姿が何かに似ているとずっと気になっていたのです。最近になって「あれか!」というものにおもいあたりました。

旅行などで地方に行ったりした時に、町の喫茶店などの入口に、くまのぬいぐるみがあるのを見かけた事はありませんか?イスなどの上にでっかいくまがぐったりと座っている姿。まさしくあれです。まるで背骨を抜かれたがごとく、前のめりにぐんにゃり座ってスースーと寝息をたてる姿には哀愁が漂いつつも、なんとなく癒される様な気がしない事もない。かな?

家や職場ではどんな生活を送っているのでしょうか。きっと奥さんは恐妻に違いない。などと横眼でチラチラうかがいつつ、朝っぱらから勝手な想像を膨らます私なのです。

14号 男子

ある仕事帰りの電車の中の事。3人掛けのはじに座って本を読んでいました。すると視界の上の方に何かの気配が。何だろうと思って見てみると、おばあちゃんとその孫らしき小学4年生くらいの男の子が座っていました。私の正面に男の子が座っていたんですが、その子がとてもアトピーらしく、手の甲をバリバリ掻いていたんです。そりゃもう一心不乱に。そしてパラパラとはがれ落ちた皮膚が足元に降り積もり・・・。

もう気の毒とか思う前に生理的に鳥肌が立ってしまいました。いけないとは思いつつも。 本人が一番つらいのはもちろん分かります。でも、「電車の中でバリバリ、パラパラ」は何とかならんもんでしょうか。まわりで見ている方もいろんなイミで正直キツィ・・・。

病気について良く勉強し、子供に対処を教える「家族のサポート」が大事なのです!「バリバリ」しないですむ様なやり方もあるんです!!

ちょっと熱くなりましたが、私の身内にもアレルギー持ちの子供達がいまして、家族皆で大変な努力をしているのをずっと見て来たのでつい。 あしからず。

13号 女ともだちのダンナ

私の高校からの友達、杉さんのダンナのお話です。ある夏の日、自宅の2階から降りて来たダンナが杉さんにこんな報告。「2階のベランダにセミのぬけがらがあるよ。あとで見てみなよ」さして興味もなかった杉さん。あっさりと忘れていましたが、用事があって2階に上がった時に「そういえば・・・」と思い出して、ベランダを見回してみたそうです。普通、セミのぬけがらって、壁などにくっついていますよね。杉さんもベランダの壁や手すりのあたりを見た様ですが、ない。「おかしいな」と思いつつ、ふと足元を見ると、そこには1匹のセミの死骸がころがっておりました。まさか・・・。以下、この後の杉さんとダンナの会話です。 杉「ねえ、セミのぬけがら見た事ある?」ダ「あるよ」杉「本当に見た事ある?」ダ「あるよ」杉「・・・セミのぬけがらに羽は無いよ」ダ「えっ・・・」

ウソがバレた瞬間ですね。このダンナ、セミのぬけがらを見た事が無かったんですね。で、見つけたセミ(成虫)の死骸をぬけがらと勘違いしたわけです。天然です。普段このダンナさんは非常に頭の良い方なので、そのギャップに失礼と思いつつ、大爆笑でした。それにしてもセミのぬけがらを見た事が無い大人がいるとはおどろきでした。

12号 消費税

今やすっかりおなじみになった消費税。以前勤めていた会社にいたころ、消費税が3%から5%に引き上げられると言うので、「何でなんじゃい!」と仲間内で集まって、ギャースカ文句をたれておりました。

まぁ、文句の一つも言わないとやってられん。と言う感じで騒いでいたのですが、。それを聞いていた同僚の狩野さん。当時30代前半、営業をやっていた男性ですが、こんな事を言っていました。 「俺けっこう消費税ってそんなに反対じゃないんだよね。だって、こんなに平等な税金って他にないでしょ」 狩野さん曰く、収入の多少にも関係なく、大人も子供も、年齢、性別、職種も関係なく、ヤクザだろうが総理大臣だろうが、日本に住むすべての人が同じ負担であると。

なんて事でしょう。そんな考え方があったとは。目からウロコが落ちるとはこういう事なのか・・・。それ以来、単純な私は消費税の事よりも無駄に使われている他の税金の方が気になる様になったのです。 *あくまでも個人的な意見であります。狩野さん、あなたすごい人だ・・・。

11号 いとこの子どもたち

私のいとこの子どもたち「ユカリ」と「セイナ」現在8歳と6歳の女の子。今から2、3年前、3人でいっしょにオフロに入っていた時のことです。2人が湯船で遊んでいて、私はシャワーをあびていました。するとちびたちが私の体にある物を発見して大騒ぎ。

「めーちゃん(私です)それなーに?なーに?」何のことやら聞いてみると「背中の黒いのなーに?」って。私の背中にはけっこうでかい「ほくろ」がついています。まっくろな粘土を丸めてきゅってくっつけたみたいなぷっくりしたやつですね。彼女たちのまだ短い人生の中で初めて目にしたビックサイズのほくろ。

「ん?ほくろだよー」との私の答えにびっくりした2人は、「えっ、それほくろなの?流れちゃわない?」シャワーの流水でぽろっと取れて流れるんじゃないかと思ったようです。「しっかりついているから大丈夫だよー」と答えながら思わず笑ってしまいました。2人はほくろをつっついてみて、ちゃんとくっついているのを確認して納得の様子。

それにしても子どもの発想ってすごい。ほくろが水で流れるって…。ナチュラルと言うか…。そんなちびたちを愛してやまない私なのです。

10号 女ともだち

高一からの友達がいます。「杉さん」です。先日、2か月ぶりに(けっこうマメに会ってる)いっしょに遊びにいこうと言うことになりまして、ショッピングモールへ行ってきました。この杉さん、もともと福祉系の仕事をしていたのですが、体を少々こわしまして、ここ数か月家にこもっていました。ヒマつぶしに手に取ったのがなんと『CanCam』。

そこで今さらながらエビちゃんにはまってしまったらしいのです。エビちゃんが着ている服を見ては、ブランド名、ショップの場所などを自分で調べたりしていたらしく、すっかり詳しくなっていました。「この服は『CanCam』に載ってた」とか「この服はもうどこにもなかったのにこんな所に……」とか、そうゆうことに全く興味のない私にはなんのこっちゃさっぱり分からんことを店員さんとしゃべっていました。

結局杉さんは1万5千円分くらいの服を、以前は持っていなかったカードで購入。ちなみに私は、かなり迷った末に3千円のTシャツを1枚購入。少々格差を感じますが。

それにしても杉よ。今年35歳・夫あり・子なし、「似てる有名人てだれ?」と聞かれたら『キティちゃん』と答えるあんたは、いったいどこへ向って行こうとしているのか。いざとなったら長年の友人である私が体を張って止めるしかないな。と決意を新たにした私なのです。

9号 優先席の女

仕事帰りの電車内、三人掛けの優先席に座っていたのですが、あるおばさんが「障害者なのでゆずってもらえませんか?」と言ってきました。もちろん「どうぞ」とゆずったのですが、その方はわざわざ障害者手帳を見せようとしてきたので、「いや、いいですよ、どうぞ」と返したわけですね。その時点で『ん?ちょっと変わってるか?』と思ったのですが、見た目的にはどこに障害があるのか分からないタイプの方で、それほど気に止めはしませんでした。

しかし、しばらくすると、その方のケイタイ電話が鳴り始めたのです。メロディや音楽ではなく、電話のベルそのままで、けっこうな音量で。ぎょっとはしましたが、電源を切り忘れる事はよくある事ですし、すぐ切るだろうと思っていたら、あろう事か電話に出てベラベラしゃべり出したのです。

最初にも書きましたが、ここは優先席。まして障害者本人です。障害の種類はそれぞれでしょうが、他の人よりも一層そういう事に気を付けそうなもんじゃないですか。席をゆずってこんなに不快な気分になったのは初めてです。まわりにもけっこう人がいて、当然一部始終を見ていたわけで、たちまち車内はムカツキとイラダチを含んだ重苦しい雰囲気になってしまいました。

常識ってなんでしょう。少なくともこのおばさんに「優先される資格」が無い事は間違いないでしょう。

7号 友達の娘

だいぶ前の話になりますが、2000年の1月に高校の同級生が結婚しました。後日二次会がありまして、そちらにも参加したのですが、その時いっしょに行った同じく同級生の「さとうちゃん」。帰り電車で彼女から聞いたお話です。

彼女はその当時すでに一児の母で専業主婦。今回結婚式の二次会に行くにあたって、家で洋服選びをしていたそうです。ふだんこぎれいな格好をすることがなくなっていたので、色々と服をひっぱり出して並べ、どうしたものかと悩んでいたそうなんですね。

それを見ていた彼女の娘「あやかちゃん」。(当時2、3才くらいだったと思います)。ママをとんとん。って。「ママー、これがいいよ、これにしなよ」って。「ん?」と思って振り返ったさとうちゃん。しばしの沈黙の末に彼女の発したセリフは次のとおり。

「……あやかー。結婚式の二次会にスヌーピーのトレーナーは着て行けないよ……」なんともかわいらしいチョイスです。ほっこりあったかなお話でした。

6号 かわいい赤ちゃん?

仕事帰りの夕方、チェリーナードをぶらついていた時に遭遇したある外国人一家。正面を向く形でだっこされていた赤ちゃんと目が合いました。真っ白な服にブルーのつぶらな瞳。さすが外人の赤ちゃん、かわいいなー、と思ったのですが、どうもオカシイ。何かが引っかかる。いったいナニが? と言うわけで、さりげなくしかしじっくりと観察。

……判明!おそらく5〜6か月くらいかと思われるその赤ちゃんは、その年齢にはありえない『完成された鼻』の持ち主だったのです。すっきりと通った鼻すじ。しっかりと整った形。年齢を超越した完成度の高さは、他に類を見ない事でしょう。ふつう赤ちゃんの鼻といえば、指でつまむのもままならないほど低くてちっちゃいものです。しかしそれがかわいらしさを引き立てているわけですが、その赤ちゃんは、その整いすぎた鼻の為に「かわいい赤ちゃん」のはずが「かわいい赤ちゃん?」になってしまったのです(私の中で)。

願わくばその鼻のように真っ直ぐ健やかに成長してほしいと勝手に思っているのです。

5号 くまのプーさん

以前勤めていた会社でおもしろい人がいました。その人は〈くまのプーさん〉にひどく腹をたてていました。生きものですらない相手に何でムカつくのかと思って聞いてみたところ、こんなお返事。「何でおれがあの黄色いくまに対して〈さん〉を付けなきゃならないんだよ」すごいよ平野さん(その人の名前)。考えた事もなかったよ!

たしかに「プー」が名前で「さん」が敬語ですもんね。見ず知らずの「プー」と言う名のくまに、敬語を使ういわれはねえ。と言うのもごもっともです。それにしてもこのお話しは、かれこれ14年ほど前の出来事ですが、今なお鮮明に覚えているほどインパクト抜群です。

平野さんは、かなり個性的な方でしたが、今ごろどうしておられるでしょうか。柔軟な発想(?)により磨きをかけて、人生を謳歌していらっしゃる事を願ってやみません。

4号 女子高生

どうも。資格書担当Joです。私の周辺にいる人間達の様子をぬるい感じにレポートしてゆきたいと思います。不定期(かも)に登場いたしますのでよろしくお願いします。

朝の出勤時、駅前の商店街を歩いている時にすれちがう女子高生がいます。女子高生なんてたくさん歩いていますが、何でその子に目がゆくかと言うと、〈ブランケットな女子高生〉だからなのです。巻いているんですね。ブランケットを。ピンクのミニーちゃんを。

ミニスカートの下にジャージを着用している子はよく見かけますが、男性が腰にバスタオルを巻くがごとくブランケットを巻いている女子高生を見たのは初めてです。しかもピンクのミニーちゃん。どピンクです。その子は一人の時も友達といっしょの時もピンクのミニーちゃんです。

だれか止めろよ。いくら寒いっつってもさ。親は何も言わないのか?時代は変ったなと思いました。

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