やさしい津軽弁講座 (津軽弁愛好会会長KOO)

2号 レッスン1日常会話篇

■ナンシー こんにちは、太郎。(*1)
●太郎 おう、ナンシー。あずましい天気だなー。(*1) どっかさ行がんず?(*2)
■ナンシー うん。今がら山菜取りさ行ってくるじゃ。
●太郎 わいわいわい、たんだいねえなあ。(*3) だばって、今ぐれえ、熊だの猪だのさは気いつけえ。(*4)
■ナンシー めあぐ。(*5) したばって、鈴も持ったし、うだ(歌)でもうだ(歌)って行くはんでだいじょぶだべえ。(*6) あどは、おばこだちと一緒に行くはんでだいじょぶだあねえ。(*7)
●太郎 へば、だいじょぶだ
■ナンシー いっぺえ採れだら、あどで持ってくはんで。(*8)
●太郎 わい、楽しみだじゃ。
■ナンシー へばね。(*9)
●太郎 へばな。(*10)

*1 津軽弁に「こんにちは」に値する言葉はない。そのまま、「こんにちは」か、「おう」「おいっす」などの言葉を使う。ちなみに、「おはよう」は「おはよごす」、「こんばんは」は「おばんです」。

*2 基本的に濁音である。例、行ぐ、書ぐ、うだ(歌)など……。.

*3 「わい」は感嘆詞。驚いたときのほかに、落ち込んだ時、疲れた時などでも使う。また、重複して使うことによって、加減が変わっていく。

*4 「しかし」は「ばって」「だばって」「したばって」などと複数の言葉が存在する。

*5 津軽弁に「ありがとう」にあたる言葉はない。「ありがとさん」などとは使うが、大体は「ごめんなさい」にあたる「めあ(や)ぐ」を使う。

*6 鈴をもっていたり、ラジオを流したりしながら歩くと熊が寄ってこないと信じられている。

*7 青森のおばさんたちは、二、三人くらいでチームを組み、山に入る。自分たちのだけの山菜スポットを持っているのであまり他のチームとはつるまない。八十超えたばあさんが、山を二、三個越えて採りに行くのもざらである。

*8 大体、くれる。

*9 「へば」は「さようなら、またあいましょう。元気でね。」が意味を凝縮されている。「へば」のあとの「ね」は丁寧語。「な」は「あなた」という意味。「あなた」は「おめ」ともいうが「へばおめ」とは使わないので注意。ほかにも「へばろっ」などの使い方もある。ちなみに「私」は「わ」。よくTVなどで見かける「おら」はあんまり使用されていない。

なお、今回紹介した津軽弁は、わたしの地方でのものなので、実際、本などに載ってる津軽弁とは、多少の違いがあります。ご了承ください。

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